• パチュリ
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パチュリ

  • 学名
    Pogostemon cablin
  • 科目
    シソ科
  • 主な産地
    インドネシア、ブラジル、パラグアイ、インド、スリランカなど

植物の特徴

パチュリはシソ科の多年草で、高さが1mほどまで育ちます。花は、一般に薄い紫色をしていて、葉は大きな緑色の葉が互い違いにびっしりついています。パチュリの名前の由来もpatch(緑)、ilai()を意味するタミール語から来たといわれておりpatchouli(緑の葉)という名前ができたとされ、葉の両面には細い毛も生えていることから葉が特徴的な植物です。この植物はマレーシア、中国、インド、日本などでは虫刺されや、蛇にかまれたときの解毒剤、頭痛や、腹痛などに使われてきました。もともとはインドネシア原産ですが、その他アジアやブラジル、パラグアイ、インド、スリランカでも生産されています。

精油の構成成分

パチュリ
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  • 全成分名称
    パチョリ油
  • INCI
    POGOSTEMON CABLIN OIL
  • 使用部位
    全草
  • 抽出方法
    水蒸気蒸留法
  • 採油率
    3.5%(乾燥)
  • ノート
    ベース
  • 香りの系統
    ハーバル、オリエンタル

パチュリ 精油の特徴

乾燥した若い葉から水蒸気蒸留によって得られる精油は3.5%前後で、薄い黄色〜褐色を帯びた色をしています。ウッディー調のパチュリアルコールやグアイエンなどが主な成分で、テクスチャーはやや粘度があります。香りはやや苦味があり、墨や湿った土のような香りで、湿個性が強くエキゾチックな香りです。「押し入れ」や「畑のような自然な香り」と表現する人も多く、印象が人によって異なる香りです。ブレンドではローズやゼラニウムといった甘みの強い香りと特に相性がよく、爽快感のあるペパーミントやユーカリ、ローレルなどとブレンドするとより落ち着きのある爽やかさを感じられます。保留材としてもよく用いられ、香りが長持ちします。

精油の構成成分

精油の構成成分

※ロット分析データの一例を記載

  • Patchouli alcohol 31.3%
  • δ-Guaiene 16.3%
  • α-Guaiene  12.5%
  • Seychellene 7.0%
  • α-Patchoulene 6.1%
  • β-Caryophyllene 3.5%
  • Pogostol 2.4%
  • β-Patchoulene 2.4%
  • β-Elemene 1.2%
  • other components 17.3%

構成成分の効果・効能・作用

IFRA規制

パチュリ:
規制なし

※構成成分の規制は、成分の一部を記載

参考文献
ジェニー・ハーディング,精油・植物油ハンドブック,東京堂出版,2010.
大槻真一郎/尾崎由紀子,ハーブ学名語源事典,東京堂出版,2009.
ジェニー・ハーディング,ハーブ図鑑,産調出版,2012.
フレディ・ゴズラン/グザビエ・フェルナンデス,調香師が語る香料植物の図鑑,原書房,2013.
三上杏平,エッセンシャルオイル総覧 改訂版,フレグランスジャーナル社,2010.
小倉謙,植物の事典 ,東京堂出版,昭和32年.
大橋信夫,メディカルハーブの事典 ,東京堂出版,2016年.
ワンダ・セラー, アロマテラピーのための84の精油, フレグランスジャーナル社,1992.
日本アロマ環境協会, AEAJアロマテラピー検定 公式テキスト1級・2級,世界文化社,1999.
ロバート・ティスランド/ロドニー・ヤング, 精油の安全性ガイド, フレグランスジャーナル社, 2018.
バーグ文子, アロマテラピー精油辞典, 成美堂出版, 2022.
アネルズあづさ, 香りを楽しむ 特徴がわかる アロマ図鑑, ナツメ社, 2023.
協力
山本香料株式会社