• ベチバー
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ベチバー

  • 学名
    Chrysopogon zizanioides
  • 科目
    イネ科
  • 主な産地
    インドなど

植物の特徴

ベチバーはイネ科の多年草で、高さ2mほどまで育ちます。葉はススキに似て、2m程の細く長い葉を持ち、シトロネラやレモングラスと同じようなイネ科特有の外観をしています。ベチバーは「まさかりで刈る」の意味を持つたるタルミ語の“Vetiverr”が由来といわれています。多数が集まって株をつくり、淡黄色から赤色を帯びた縮れた根を網状に地中深くに張るため、田やあぜなどの土どめとして植えられてきました。ベチバーは古くから幅広い地域に分布してきたため、様々な名称をもち、例えばインドでは香り高い根を意味する「クスクス」、ジャワでは掘り起こした根を意味する「アカール・ワンギ」と呼ばれています。

精油の構成成分

ベチバー
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  • 全成分名称
    ベチベル根油
  • INCI
    Vetiveria Zizanoides Root Oil
  • 使用部位
  • 抽出方法
    水蒸気蒸留法
  • 採油率
    1-1.5%(乾燥)
  • ノート
    ベース
  • 香りの系統
    ハーバル

ベチバー 精油の特徴

乾燥した根から水蒸気蒸留によって得られる精油は1-1.5%前後で、淡褐色~褐色を帯びた色をしています。鎮静作用で知られるベチベロールやべチベロンが主な成分で、香りはほのかに甘みを含んだ湿り気のある土のような香りです。静かな大地の力強さを感じさせる香りですが、好みが分かれる精油の一つです。高い粘性が特長で揮発性が低く、香りの保留材としてもよく使用されます。多くの精油と好相性ですが、濃縮されたような強い香りのため、ブレンドの際は入れすぎないよう注意しましょう。

精油の構成成分

精油の構成成分

※ロット分析データの一例を記載

  • β-Vetivenene 13.0%
  • Khusimol 9.8%
  • isovalencenol 3.6%
  • β-Vetivone 2.8%
  • α-Vetivone 2.8%
  • α-Amorphene 2.1%
  • δ-Cadinene 1.3%
  • other components 64.5%

構成成分の効果・効能・作用

IFRA規制

ベチバー:
規制なし

※構成成分の規制は、成分の一部を記載

参考文献
ジェニー・ハーディング,精油・植物油ハンドブック,東京堂出版,2010.
大槻真一郎/尾崎由紀子,ハーブ学名語源事典,東京堂出版,2009.
ジェニー・ハーディング,ハーブ図鑑,産調出版,2012.
フレディ・ゴズラン/グザビエ・フェルナンデス,調香師が語る香料植物の図鑑,原書房,2013.
三上杏平,エッセンシャルオイル総覧 改訂版,フレグランスジャーナル社,2010.
小倉謙,植物の事典 ,東京堂出版,昭和32年.
大橋信夫,メディカルハーブの事典 ,東京堂出版,2016年.
ワンダ・セラー, アロマテラピーのための84の精油, フレグランスジャーナル社,1992.
日本アロマ環境協会, AEAJアロマテラピー検定 公式テキスト1級・2級,世界文化社,1999.
ロバート・ティスランド/ロドニー・ヤング, 精油の安全性ガイド, フレグランスジャーナル社, 2018.
バーグ文子, アロマテラピー精油辞典, 成美堂出版, 2022.
アネルズあづさ, 香りを楽しむ 特徴がわかる アロマ図鑑, ナツメ社, 2023.
協力
山本香料株式会社