• ベチバー
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ベチバー

  • 学名
    Chrysopogon zizanioides
  • 科目
    イネ科
  • 主な産地
    インドなど

植物の特徴

ベチバーはイネ科の多年草で、高さ2mほどまで育ちます。葉はススキに似て、2m程の細く長い葉を持ち、シトロネラやレモングラスと同じようなイネ科特有の外観をしています。ベチバーは「まさかりで刈る」の意味を持つたるタルミ語の“Vetiverr”が由来といわれています。多数が集まって株をつくり、淡黄色から赤色を帯びた縮れた根を網状に地中深くに張るため、田やあぜなどの土どめとして植えられてきました。ベチバーは古くから幅広い地域に分布してきたため、様々な名称をもち、例えばインドでは香り高い根を意味する「クスクス」、ジャワでは掘り起こした根を意味する「アカール・ワンギ」と呼ばれています。

ベチバーの根を切ると香りが出て来ますが、これは精油が根の内側に存在するためです。ベチバーの精油は皮層で作られると言われており、実際に顕微鏡で根の断面を拡大すると内皮に隣接する細胞内が黄色く光っている様子が観察できます。(精油の貯蔵と生合成についてはこちら⇒ リンク

歴史的背景

ベチバーは、儀式に使う薫香や伝統医療アーユルヴェーダの治療薬として古くから利用され、葉や根で天幕などを作って日よけにしたり、粉末状にした根を小袋に入れて虫よけにしたりと、さまざまな用途で用いられてきました。深く根を張るため、土壌流出防止のためにも植えられ、原産地では水田のあぜなどに植えられているのをよく見かけます。スリランカでは、女性たちはこの草をココナツオイルに漬け込んでヘアオイルとして使ったり、ジャワでは根を編んでマットや帽子を作ったり、葉を扇や屋根を葺くのに使ったりと、生活にとけ込んで活用されています。

精油の構成成分

ベチバー
  • ベチバー

  • 全成分名称
    ベチベル根油
  • INCI
    Vetiveria Zizanoides Root Oil
  • 使用部位
  • 抽出方法
    水蒸気蒸留法
  • 採油率
    1-1.5%(乾燥)
  • ノート
    ベース
  • 香りの系統
    ハーバル

ベチバー 精油の特徴

乾燥した根から水蒸気蒸留によって得られる精油は1-1.5%前後で、淡褐色~褐色を帯びた色をしています。鎮静作用で知られるベチベロールやべチベロンが主な成分で、香りはほのかに甘みを含んだ湿り気のある土のような香りです。静かな大地の力強さを感じさせる香りですが、好みが分かれる精油の一つです。高い粘性が特長で揮発性が低く、香りの保留材としてもよく使用されます。多くの精油と好相性ですが、濃縮されたような強い香りのため、ブレンドの際は入れすぎないよう注意しましょう。

ベチバー おすすめブレンド

ベチバー:1滴
ネロリ5%:5滴
ベルガモット:10滴

みずみずしく上品なベルガモットと洗練された華やかさのネロリ、濃厚な大地の香りのベチバーを合わせることで、深く心を落ち着かせてくれるようなシトラスアーシーな香調に。
※ネロリは希少かつ香りの強い精油のため、5%希釈し使用しています。

※室内芳香用のレシピです
※直接肌に塗布しないでください

精油の構成成分

精油の構成成分

※ロット分析データの一例を記載

  • β-Vetivenene 13.0%
  • Khusimol 9.8%
  • isovalencenol 3.6%
  • β-Vetivone 2.8%
  • α-Vetivone 2.8%
  • α-Amorphene 2.1%
  • δ-Cadinene 1.3%
  • other components 64.5%

構成成分の効果・効能・作用

クシモール

Khusimol

クシモール
  • IUPAC名
    [(1R,2S,5S,8R)-7,7-dimethyl-6-methylidene-2-tricyclo[6.2.1.01,5]undecanyl]methanol
  • 分子式
    C15H24O
  • 分子量
    220.35
  • CAS No.
    16223-63-5
  • 分類
    セスキテルペン(アルコール類)

クシモールの効果・効能・作用

in slico in vitro ex vivo in vivo
Non-clinical Clinical
Mice Rats Guinea Pigs Insects Rabbits Human
Anti-bacterial Effects

抗菌(Anti-bacterial Effects)

枯草菌(B. Subtilis)に対して増殖阻害効果を示すことが報告されました。1)

  • 1) Shinjo et al., J. Gen. Appl. Microbiol., 2022

IFRA規制

ベチバー:
規制なし

※構成成分の規制は、成分の一部を記載

参考文献
ジェニー・ハーディング,精油・植物油ハンドブック,東京堂出版,2010.
大槻真一郎/尾崎由紀子,ハーブ学名語源事典,東京堂出版,2009.
ジェニー・ハーディング,ハーブ図鑑,産調出版,2012.
フレディ・ゴズラン/グザビエ・フェルナンデス,調香師が語る香料植物の図鑑,原書房,2013.
三上杏平,エッセンシャルオイル総覧 改訂版,フレグランスジャーナル社,2010.
小倉謙,植物の事典 ,東京堂出版,昭和32年.
大橋信夫,メディカルハーブの事典 ,東京堂出版,2016年.
ワンダ・セラー, アロマテラピーのための84の精油, フレグランスジャーナル社,1992.
日本アロマ環境協会, AEAJアロマテラピー検定 公式テキスト1級・2級,世界文化社,1999.
ロバート・ティスランド/ロドニー・ヤング, 精油の安全性ガイド, フレグランスジャーナル社, 2018.
バーグ文子, アロマテラピー精油辞典, 成美堂出版, 2022.
アネルズあづさ, 香りを楽しむ 特徴がわかる アロマ図鑑, ナツメ社, 2023.
佐々木薫,最新4訂版アロマテラピー図鑑,主婦の友社,2019.
潤いのある暮らし研究会,私の暮らしに優しく香る100種類のエッセンシャルオイル,自由国民社,2024.
協力
山本香料株式会社
理化学研究所 環境資源科学研究センター