• フェンネル
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フェンネル

  • 学名
    Foeniculum vulgare
  • 科目
    セリ科
  • 主な産地
    ハンガリーなど

植物の特徴

フェンネルは、セリ科の多年草で、12m前後までおおきくなります。葉は緑色で、ふさふさした羽毛のようです。花は黄色い花を咲かせて、放射状に小さな花をたくさんつけます。日当たりのよい場所であれば比較的簡単に育てることができます。果実はスパイスとして、葉はハーブティーとしても使われ、茎の下部の方は玉ねぎのような形をしていて、野菜としても食べられています。フェンネルは、その他にも昔から、魔よけなど幅広く使用されてきました。フェンネルの属名であるFoeniculumは、干し草を意味するラテン語のfoenumからきているといわれています
地中海沿岸地方に生育し、その精油も大半はこの地域で産出されます。

精油の構成成分

フェンネル
  • フェンネル

  • 全成分名称
    ウイキョウ果実油
  • INCI
    FOENICULUM VULGARE (FENNEL) OIL
  • 使用部位
    果実
  • 抽出方法
    水蒸気蒸留法
  • 採油率
    2.5-6.0%(乾燥)
  • ノート
    ミドル
  • 香りの系統
    ハーバル

フェンネル 精油の特徴

果実から水蒸気蒸留によって得られる精油は、2.5-6.0%前後で、透明〜やや黄色を帯びた色をしています。砂糖の13倍ほどの甘さで知られるアネトールが主な成分で、トランスアネトールは、食品のフレーバーとして使われたりしてますが、香料としてはアニスの系統の香りで、少し陶酔させるような、沁みとおる薬草的な甘さがあり、その中に清涼感を持ち合わせています。様々な精油と相性がよく、特にオレンジスイートやベルガモットなどのシトラスや甘みをもったサンダルウッド、ゼラニウム、パルマローザなどといった精油ともよく合います。香りがやや強いため、ブレンドのバランスを見ながら少しずつ加えることがおすすめです。

精油の構成成分

精油の構成成分

※ロット分析データの一例を記載

  • Anethole 77.1%
  • Fenchone 5.3%
  • Limonene 4.3%
  • Estragole 3.5%
  • α-Pinene 2.2%
  • α-Phellandrene 1.7%
  • other components 5.9%

構成成分の効果・効能・作用

α-ピネン

α-Pinene

α-ピネン
  • IUPAC名
    (+)-α-Pinene: (1R,5R)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.1]hept-2-ene
    (-)-α-Pinene: (1S,5S)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.1]hept-2-ene
  • 分子式
    C10H16
  • 分子量
    136.23 g/mol
  • CAS No.
    (+)-α-Pinene: 7785-70-8
    (-)-α-Pinene: 7785-26-4
  • 分類
    二環式モノテルペン

α-ピネンの効果・効能・作用

in slico in vitro ex vivo in vivo
Non-clinical Clinical
Mice Rats Guinea Pigs Human
Stress Reduction
Anti-bacterial Effects
Anti-inflammatory Effects

ストレス軽減 (Stress Reduction)

α-ピネンの香りを吸入したマウスの脳腫瘍が小さくなった一方、α-ピネン添加によるメラノーマ細胞の増殖はみられなかったことから、心理的な影響が考えられることが報告されました。1)

抗菌 (Anti-bacterial Effects)

α-ピネンは青変菌に対して、気体暴露および培地添加の両方において生育阻害効果を示したことが報告されました。2)

抗炎症 (Anti-inflammatory)

RAW264.7細胞においてリポ多糖(LPS)添加により炎症を引き起こす物質である一酸化窒素(NO)の産生が誘導されますが、α-ピネン添加によりNO産生が抑制されることが報告されました。3)

  • 1)Kusuhara et al., Biomedical Research, 2012
  • 2)岡村、木材保存、
  • 3)Kwak et al., Journal of Exercise Rehabilitation, 2019

リモネン

Limonene

リモネン
  • IUPAC名
    1-methyl-4-prop-1-en-2-ylcyclohexene
  • 分子式
    C10H16
  • 分子量
    136.23 g/mol
  • CAS No.
    138-86-3
  • 分類
    単環式モノテルペン

リモネンの効果・効能・作用

in slico in vitro ex vivo in vivo
Non-clinical Clinical
Mice Rats Guinea Pigs Human
Stress Reduction
Memory Improvement
Anti-cancer Effects

ストレス軽減 (Stress Reduction)

4℃環境下で寒冷ストレスを与えたマウスにおいて、リモネン投与群の血中コルチコステロン(ストレスに応答するホルモン)濃度の上昇が抑制されたことが報告されました。また、物理的ストレスと精神的ストレスを与えたマウスにおいて、リモネン投与群の血中コルチコステロン濃度が抑制されたことが同報告にて示されました。1)

記憶・学習 (Memory Improvement)

リン酸緩衝生理食塩水中でアセチルコリンエステラーゼをアセチルチオコリンと反応させる際に、リモネンを加えることでアセチルコリンエステラーゼによる分解が抑制されることが報告されました。アセチルコリンエステラーゼは記憶や学習に関与するホルモンであるアセチルコリンを分解してしまうため、分解を止めることにより記憶障害などを防げる可能性があります。また同報告において、スコポラミン投与によるラットの記憶障害が抑制されたことも報告されました。2)

抗癌 (Anti-cancer Effects)

乳癌患者のリモネン摂取により、細胞分裂に関わるタンパク質であるCyclin D1の腫瘍における発現量が低下したことが報告されました。3)その他、リモネンの抗癌作用に関して複数の報告があります。4)5)

  • 1)Fukumoto et al., Stress and Health, 2008
  • 2)Zhou et al., Nutritional Neuroscience,, 2013
  • 3)Miller et al., Cancer Prevntion Research, 2013
  • 4)Ajikumaran Nair S et al., Phytomedicine, 2018
  • 5)Chaudhary et al., Human & Experimental Toxicology, 2012

IFRA規制

リモネン:
酸化したリモネンは皮膚刺激や皮膚感作を生じる可能性があります。リモネン含有量が高い精油は酸化防止剤の添加などによって過酸化物が最低限(20mol/l)に維持した上で使用すべきと示されています。

※構成成分の規制は、成分の一部を記載

参考文献
ジェニー・ハーディング,精油・植物油ハンドブック,東京堂出版,2010.
大槻真一郎/尾崎由紀子,ハーブ学名語源事典,東京堂出版,2009.
ジェニー・ハーディング,ハーブ図鑑,産調出版,2012.
フレディ・ゴズラン/グザビエ・フェルナンデス,調香師が語る香料植物の図鑑,原書房,2013.
三上杏平,エッセンシャルオイル総覧 改訂版,フレグランスジャーナル社,2010.
小倉謙,植物の事典 ,東京堂出版,昭和32年.
大橋信夫,メディカルハーブの事典 ,東京堂出版,2016年.
ワンダ・セラー, アロマテラピーのための84の精油, フレグランスジャーナル社,1992.
日本アロマ環境協会, AEAJアロマテラピー検定 公式テキスト1級・2級,世界文化社,1999.
ロバート・ティスランド/ロドニー・ヤング, 精油の安全性ガイド, フレグランスジャーナル社, 2018.
バーグ文子, アロマテラピー精油辞典, 成美堂出版, 2022.
アネルズあづさ, 香りを楽しむ 特徴がわかる アロマ図鑑, ナツメ社, 2023.
International Fragrance Association, Limonene, 1995
協力
山本香料株式会社