α-ピネン
α-Pinene

-
- IUPAC名
- (+)-α-Pinene: (1R,5R)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.1]hept-2-ene
(-)-α-Pinene: (1S,5S)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.1]hept-2-ene
-
- 分子式
- C10H16
-
- 分子量
- 136.23 g/mol
-
- CAS No.
- (+)-α-Pinene: 7785-70-8
(-)-α-Pinene: 7785-26-4
-
- 分類
- 二環式モノテルペン
含有される精油
-
サイプレス 48.6%
-
ローズマリーベルべノン 42.6%
-
ジュニパーベリー 38.2%
-
フランキンセンス 36.8%
-
パイン 34.7%
-
ヒノキ 25.0%
-
ローズマリーカンファ― 23.3%
-
ローズマリーシネオール 15.0%
-
ロザリーナ 14.4%
-
ゲットウ 11.8%
-
ブラックペッパー 9.9%
-
ニアウリ 8.2%
-
ピンクペッパー 5.6%
-
クロモジ 5.1%
-
ローレル 4.9%
-
セージ 4.5%
-
ニオイコブシ 4.4%
-
ジンジャー 3.2%
-
コリアンダー 3.1%
-
ティーツリー 2.5%
-
ユーカリグロブルス 2.3%
-
フェンネル 2.2%
-
カモミール・ローマン 2.2%
-
マンダリン 2.1%
-
レモン(フロクマリンフリー) 2.0%
-
レモン(圧搾) 2.0%
-
タイム 1.6%
-
カルダモン 1.6%
-
ユズ(圧搾) 1.5%
-
ユズ(水蒸気蒸留) 1.4%
-
ライム 1.4%
-
メイチャン 1.4%
-
ベルガモット(圧搾・フロクマリンフリー) 1.3%
-
ユズ(溶剤抽出) 1.3%
-
ヘリクリサム 1.3%
-
オレガノ 0.5%
※含有率(GC%)は分析データの一例を記載
α-ピネンの効果・効能・作用
in slico | in vitro | ex vivo | in vivo | ||||||
Non-clinical | Clinical | ||||||||
Mice | Rats | Guinea Pigs | Insects | Rabbits | Human | ||||
Stress Reduction | ○ | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Anti-bacterial Effects | ○ | ||||||||
Anti-inflammatory Effects | ○ | ○ | |||||||
Anti-tumor Effects | ○ | ○ | |||||||
Analgesic Effects | ○ | ||||||||
Sleep Improvement | ○ |
ストレス軽減 (Stress Reduction)
ラットに対して、心理的ストレス負荷を与えることで生じる一過性の体温上昇反応が、α-ピネン吸入群では抑制することが報されました。1)
抗菌 (Anti-bacterial Effects)
木材を青く変色させる青変菌に対して、α-ピネンの接触暴露、および非接触暴露の両方において生育阻害効果を示したことが報告されました。2)
抗炎症 (Anti-inflammatory Effects)
マウスマクロファージ様細胞株RAW264.7細胞において、リポ多糖(LPS)によって誘導される一酸化窒素(NO)産生が、α-ピネン添加により抑制されることが報告されました。3)
炎症性疼痛モデルラットにおいて、ホルマリンによって誘導される炎症性サイトカインレベルが、α-ピネン投与により抑制されることが報告されました。6)
抗腫瘍 (Anti-tumor Effects)
C57BL/6マウスにおいて、α-ピネン吸入群では対照群と比較し腫瘍増殖が抑制されたことが報告されました。4)
マウスTリンパ腫細胞株EL-4細胞、およびヒトT細胞急性リンパ芽球性白血病細胞株MOLT-4細胞において、α-ピネン添加により細胞増殖が抑制されることが報告されました。さらに同報告において、C57BL/6Jマウスにおける腫瘍細胞の増殖を抑制することが報告されました。5)
鎮痛 (Analgesic Effects)
炎症性疼痛モデルラットにおいて、ホルマリン刺激による侵害受容がα-ピネン投与により緩和することが報告されました。6)
睡眠の質向上 (Sleep Improvement)
被験者に対して、就床時α-ピネンの香り暴露群で入眠潜時(就床から睡眠開始までの時間)が短くなる可能性が示唆され、さらに睡眠効率(全就床時間中の睡眠時間の割合)が高くなる傾向があることが報告されました。7)
- 1) Kusuhara et al., Biomedical Research, 2012
- 2) 岡村, 木材保存, 2002
- 3) Kwak et al., Journal of Exercise Rehabilitation, 2019
- 4) Kusuhara et al., Biomedical Research, 2012
- 5) Abe et al., Cancer Science, 2024
- 6) Rahimi et al., Brain Research Bulletin, 2023
- 7) Tsunetsugu, Cosmetology, 2018