• スペアミント
  • スペアミント

スペアミント

  • 学名
    Mentha Spicata(Mentha virdis)
  • 科目
    シソ科
  • 主な産地
    アメリカ、インドなど

植物の特徴

スペアミントはシソ科の多年草で、高さ30-60cmほどまで育ちます。花は、夏から秋にかけて茎の先端に白から薄紫色の花をつけ、葉は短く対生し、鋸葉状のやや丸みのある槍の穂先のような形の葉を持ちます。この形が「spear」の由来となりました。学名の「spicicata」は「穂状の」を指し、茎の先端につける花穂が由来と言われています。スペアミントはペパーミントとウォーターミントの交配種であるといわれ、別名オランダハッカ、チリメンハッカとも呼ばれており、1000種以上あると言われるミントの品種の中でも香りがきつくないという特徴があります。料理やお茶、日用品の香り付けなど広く生活の中に取り入れられています。

精油の構成成分

スペアミント
  • スペアミント

  • 全成分名称
    スペアミント油
  • INCI
    MENTHA VIRIDIS (SPEARMINT) LEAF OIL
  • 使用部位
    全草
  • 抽出方法
    水蒸気蒸留
  • 採油率
    0.3%
  • ノート
    ハーバル
  • 香りの系統
    トップ

スペアミント 精油の特徴

全草から水蒸気蒸留によって得られる精油は0.3%前後で、無色~淡緑褐色を帯びた色をしています。l-カルボンが主な成分で、この香りを特徴づけています。香りはミント特有のスッキリとした爽快感と甘さを持った香りです。甘さと清涼感をバランスよく感じ、ガムやキャンディで想像できるようなスッキリとした印象を持ちます。深みのある精油と相性がよく、特にウッディのサンダルウッドやユーカリ、他にも甘さのあるゼラニウムやネロリといったフローラルな香りともよく合います。香りの強さは強く、ブレンドの際は少量足していき、バランスを見ながら追加していくと良いでしょう。

精油の構成成分

精油の構成成分

※ロット分析データの一例を記載

  • Carvone 81.9%
  • Limonene 3.9%
  • Dihydrocarvone 2.8%
  • Menthol 2.2%
  • Dihydrocarvyl acetate 1.7%
  • Menthone 1.4%
  • Dihydrocarveol 1.0%
  • other components 5.2%

構成成分の効果・効能・作用

リモネン

Limonene

リモネン
  • IUPAC名
    1-methyl-4-prop-1-en-2-ylcyclohexene
  • 分子式
    C10H16
  • 分子量
    136.23 g/mol
  • CAS No.
    138-86-3
  • 分類
    単環式モノテルペン

リモネンの効果・効能・作用

in slico in vitro ex vivo in vivo
Non-clinical Clinical
Mice Rats Guinea Pigs Human
Stress Reduction
Memory Improvement
Anti-cancer Effects

ストレス軽減 (Stress Reduction)

4℃環境下で寒冷ストレスを与えたマウスにおいて、リモネン投与群の血中コルチコステロン(ストレスに応答するホルモン)濃度の上昇が抑制されたことが報告されました。また、物理的ストレスと精神的ストレスを与えたマウスにおいて、リモネン投与群の血中コルチコステロン濃度が抑制されたことが同報告にて示されました。1)

記憶・学習 (Memory Improvement)

リン酸緩衝生理食塩水中でアセチルコリンエステラーゼをアセチルチオコリンと反応させる際に、リモネンを加えることでアセチルコリンエステラーゼによる分解が抑制されることが報告されました。アセチルコリンエステラーゼは記憶や学習に関与するホルモンであるアセチルコリンを分解してしまうため、分解を止めることにより記憶障害などを防げる可能性があります。また同報告において、スコポラミン投与によるラットの記憶障害が抑制されたことも報告されました。2)

抗癌 (Anti-cancer Effects)

乳癌患者のリモネン摂取により、細胞分裂に関わるタンパク質であるCyclin D1の腫瘍における発現量が低下したことが報告されました。3)その他、リモネンの抗癌作用に関して複数の報告があります。4)5)

  • 1)Fukumoto et al., Stress and Health, 2008
  • 2)Zhou et al., Nutritional Neuroscience,, 2013
  • 3)Miller et al., Cancer Prevntion Research, 2013
  • 4)Ajikumaran Nair S et al., Phytomedicine, 2018
  • 5)Chaudhary et al., Human & Experimental Toxicology, 2012

IFRA規制

カルボン:
皮膚感作や全身毒性を生じる可能性があるため、最終製品での配合制限があります。

カルボン

※構成成分の規制は、成分の一部を記載

リモネン:
酸化したリモネンは皮膚刺激や皮膚感作を生じる可能性があります。リモネン含有量が高い精油は酸化防止剤の添加などによって過酸化物が最低限(20mol/l)に維持した上で使用すべきと示されています。

※構成成分の規制は、成分の一部を記載

参考文献
ジェニー・ハーディング,精油・植物油ハンドブック,東京堂出版,2010.
大槻真一郎/尾崎由紀子,ハーブ学名語源事典,東京堂出版,2009.
ジェニー・ハーディング,ハーブ図鑑,産調出版,2012.
フレディ・ゴズラン/グザビエ・フェルナンデス,調香師が語る香料植物の図鑑,原書房,2013.
三上杏平,エッセンシャルオイル総覧 改訂版,フレグランスジャーナル社,2010.
小倉謙,植物の事典 ,東京堂出版,昭和32年.
大橋信夫,メディカルハーブの事典 ,東京堂出版,2016年.
ワンダ・セラー, アロマテラピーのための84の精油, フレグランスジャーナル社,1992.
日本アロマ環境協会, AEAJアロマテラピー検定 公式テキスト1級・2級,世界文化社,1999.
ロバート・ティスランド/ロドニー・ヤング, 精油の安全性ガイド, フレグランスジャーナル社, 2018.
バーグ文子, アロマテラピー精油辞典, 成美堂出版, 2022.
アネルズあづさ, 香りを楽しむ 特徴がわかる アロマ図鑑, ナツメ社, 2023.
International Fragrance Association, Carvone, 2020.
International Fragrance Association, Limonene, 1995.
協力
山本香料株式会社