• ジンジャー(ショウガ)
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ジンジャー(ショウガ)

  • 学名
    Zingiber officinale
  • 科目
    ショウガ科
  • 主な産地
    中国、インド、ジャマイカ、アフリカ、インドネシア、メキシコなど

植物の特徴

ジンジャーは、ショウガ科に属する多年草で、高さは約1m程度まで伸びる。葉は細長く、日本ではめったに見ることができないといわれているが、花も咲き温暖な地であればまれに見ることもあるそうです。根茎は鹿の角にも似た独特の形をしており、ジンジャー(ラテン語のZingiber)の名称の由来にもなっているという説もあり、やや黄みがかった白色をしています。植物自体からも強い、独特の香りがするのが特徴です。ジンジャーは古くから、中国やインドでは欠かすことのできないスパイスとして、また様々な国では薬として使われており、中国からヨーロッパに渡ったスパイスの中でも最も古いと言われています。インド、中国、インドネシアが原産地といわれていますが、現在ではアフリカや西インド諸島のような熱帯諸国の大部分で産業的に栽培されています。

精油の構成成分

ジンジャー
  • ジンジャー

  • 全成分名称
    ショウガ根油
  • INCI
    ZINGIBER OFFICINALE (GINGER) ROOT OIL
  • 使用部位
  • 抽出方法
    水蒸気蒸留法
  • 採油率
    0.5%-1.0%(乾燥)
  • ノート
    ベース
  • 香りの系統
    スパイス

ジンジャー 精油の特徴

根から水蒸気蒸留によって得られる精油は0.5%-1.0%前後で、やや黄みを帯びた色をしています。β-ジンゲベレンが主な成分で、シトラール等の成分によってさわやかなレモン様の香りがしますが、私たちにもなじみ深いジンジャー特有のスパイシーでホットな印象も受けます。ジンジャーは男性用のみならず女性用のオリエンタルノートに使ったり、最近ではそのスパイシーな香りから痩身イメージの香りにも使われることがあります。この精油はオリエンタル調の香りには欠かせない素材で、香りを創る上でも隠し味のようなスパイスとして使われていました。レモングラスやユズ、マンダリンなどのやや苦味のある香りと特に相性がよく、またローズマリーやレモンなどといった爽快感のある香りとも好相性です。香りが強いので、ブレンドの際は入れすぎないように注意しましょう。

精油の構成成分

精油の構成成分

※ロット分析データの一例を記載

  • α-Zingiberene 33.4%
  • β-Sesquiphellandrene 11.8%
  • β-Bisabolene 7.7%
  • α-Curcumene 7.3%
  • Camphene 6.9%
  • β-Phellandrene 6.7%
  • α-Pinene 3.2%
  • Limonene 1.6%
  • Citral 0.6%
  • other components 20.9%

構成成分の効果・効能・作用

α-ピネン

α-Pinene

α-ピネン
  • IUPAC名
    (+)-α-Pinene: (1R,5R)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.1]hept-2-ene
    (-)-α-Pinene: (1S,5S)-2,6,6-trimethylbicyclo[3.1.1]hept-2-ene
  • 分子式
    C10H16
  • 分子量
    136.23 g/mol
  • CAS No.
    (+)-α-Pinene: 7785-70-8
    (-)-α-Pinene: 7785-26-4
  • 分類
    二環式モノテルペン

α-ピネンの効果・効能・作用

in slico in vitro ex vivo in vivo
Non-clinical Clinical
Mice Rats Guinea Pigs Human
Stress Reduction
Anti-bacterial Effects
Anti-inflammatory Effects

ストレス軽減 (Stress Reduction)

α-ピネンの香りを吸入したマウスの脳腫瘍が小さくなった一方、α-ピネン添加によるメラノーマ細胞の増殖はみられなかったことから、心理的な影響が考えられることが報告されました。1)

抗菌 (Anti-bacterial Effects)

α-ピネンは青変菌に対して、気体暴露および培地添加の両方において生育阻害効果を示したことが報告されました。2)

抗炎症 (Anti-inflammatory)

RAW264.7細胞においてリポ多糖(LPS)添加により炎症を引き起こす物質である一酸化窒素(NO)の産生が誘導されますが、α-ピネン添加によりNO産生が抑制されることが報告されました。3)

  • 1)Kusuhara et al., Biomedical Research, 2012
  • 2)岡村、木材保存、
  • 3)Kwak et al., Journal of Exercise Rehabilitation, 2019

シトラール

Citral

シトラール
  • IUPAC名
    (2E)-3,7-dimethylocta-2,6-dienal
  • 分子式
    C10H16O
  • 分子量
    152.23 g/mol
  • CAS No.
    5392-40-5
  • 分類
    モノテルペン

シトラールの効果・効能・作用

in slico in vitro ex vivo in vivo
Non-clinical Clinical
Mice Rats Guinea Pigs Human
Stress Reduction
Anti-bacterial Effects
Anti-cancer Effects

ストレス軽減 (Stress Reduction)

4℃環境下で寒冷ストレスを与えたマウスにおいて、シトラール投与群では脳内モノアミン量増加が抑制されたことが報告されました。1)

抗菌 (Acti-bacterial Effects)

コウジカビを培地で生育させ、シトラールを添加したところ他の精油成分と比較して高い抗菌活性を示し、また複数の真菌に対して活性の持続時間も長いことが報告されました。2)

抗癌 (Anti-cancer Effects)

ヒトの乳癌由来3次元培養細胞にシトラールを与えると濃度依存的に細胞集合体が小さくなることが報告されました。さらにアポトーシス細胞を検出するために利用されるAnnexinV/7AADフローサイトメトリーを用いた実験において、シトラール供与によるアポトーシス細胞の増加が報告されました。3)

  • 1)Fukumoto et al., Stress and Health, 2008
  • 2)岡村、木材保存、2002
  • 3)Nigjeh et al., BMC Complementary and Alternative Medicine, 2018

リモネン

Limonene

リモネン
  • IUPAC名
    1-methyl-4-prop-1-en-2-ylcyclohexene
  • 分子式
    C10H16
  • 分子量
    136.23 g/mol
  • CAS No.
    138-86-3
  • 分類
    単環式モノテルペン

リモネンの効果・効能・作用

in slico in vitro ex vivo in vivo
Non-clinical Clinical
Mice Rats Guinea Pigs Human
Stress Reduction
Memory Improvement
Anti-cancer Effects

ストレス軽減 (Stress Reduction)

4℃環境下で寒冷ストレスを与えたマウスにおいて、リモネン投与群の血中コルチコステロン(ストレスに応答するホルモン)濃度の上昇が抑制されたことが報告されました。また、物理的ストレスと精神的ストレスを与えたマウスにおいて、リモネン投与群の血中コルチコステロン濃度が抑制されたことが同報告にて示されました。1)

記憶・学習 (Memory Improvement)

リン酸緩衝生理食塩水中でアセチルコリンエステラーゼをアセチルチオコリンと反応させる際に、リモネンを加えることでアセチルコリンエステラーゼによる分解が抑制されることが報告されました。アセチルコリンエステラーゼは記憶や学習に関与するホルモンであるアセチルコリンを分解してしまうため、分解を止めることにより記憶障害などを防げる可能性があります。また同報告において、スコポラミン投与によるラットの記憶障害が抑制されたことも報告されました。2)

抗癌 (Anti-cancer Effects)

乳癌患者のリモネン摂取により、細胞分裂に関わるタンパク質であるCyclin D1の腫瘍における発現量が低下したことが報告されました。3)その他、リモネンの抗癌作用に関して複数の報告があります。4)5)

  • 1)Fukumoto et al., Stress and Health, 2008
  • 2)Zhou et al., Nutritional Neuroscience,, 2013
  • 3)Miller et al., Cancer Prevntion Research, 2013
  • 4)Ajikumaran Nair S et al., Phytomedicine, 2018
  • 5)Chaudhary et al., Human & Experimental Toxicology, 2012

IFRA規制

ジンジャー:
規制なし

※構成成分の規制は、成分の一部を記載

参考文献
ジェニー・ハーディング,精油・植物油ハンドブック,東京堂出版,2010.
大槻真一郎/尾崎由紀子,ハーブ学名語源事典,東京堂出版,2009.
ジェニー・ハーディング,ハーブ図鑑,産調出版,2012.
フレディ・ゴズラン/グザビエ・フェルナンデス,調香師が語る香料植物の図鑑,原書房,2013.
三上杏平,エッセンシャルオイル総覧 改訂版,フレグランスジャーナル社,2010.
小倉謙,植物の事典 ,東京堂出版,昭和32年.
大橋信夫,メディカルハーブの事典 ,東京堂出版,2016年.
ワンダ・セラー, アロマテラピーのための84の精油, フレグランスジャーナル社,1992.
日本アロマ環境協会, AEAJアロマテラピー検定 公式テキスト1級・2級,世界文化社,1999.
ロバート・ティスランド/ロドニー・ヤング, 精油の安全性ガイド, フレグランスジャーナル社, 2018.
バーグ文子, アロマテラピー精油辞典, 成美堂出版, 2022.
アネルズあづさ, 香りを楽しむ 特徴がわかる アロマ図鑑, ナツメ社, 2023.
協力
山本香料株式会社