参考文献
- 宮澤恵二、横手幸太郎、宮園浩平, 実験医学バイオサイエンス BS-34 新 細胞増殖因子のバイオロジー, 羊土社, 2001.
- 一戸裕子, サイトカイン・増殖因子キーワード事典 BS-34, 羊土社, 2015.
PDGF、KGFは、成長因子と呼ばれるものの一つで、それぞれPDGF(Platelet-Derived Growth Factor)は血小板由来成長因子、KGF(Keratinocyte Growth Factor、FGF-7とも呼ばれる)は表皮細胞成長因子の略語です。いずれの成長因子も特定の細胞の分化や増殖を促進するたんぱく質として知られており、肌においても健康な状態を保つのに欠かせない存在です。
サフラン&バードックエキスのコンプレックスにより表皮・真皮に働きかける成長因子の遺伝子発現が増加
試験方法
サフラン&バードックエキスを線維芽細胞に添加して48時間培養後、KGFおよびPDGFの遺伝子発現を解析し、エキス添加ありなしで比較した。
出典:ポーラ化成研究所調べ
これらの肌に存在するPDGF、KGFの成長因子にゴボウの根とサフランの花弁から取れたエキスの混合物(サフラン&バードックエキスのコンプレックス)を滴加することで、成長因子の発現を促進することが新たにわかりました(左グラフ:KGF、右グラフ:PDGFの結果)。
ゴボウは、貯蔵根ともいわれる根からとったエキスで植物の栄養を抱え込んでいる大切な部位です。また、サフランの花芯は古くから香辛料として親しまれていましたが、サフランの花弁は未利用資源としてこれまで使われていませんでした。
肌が美しくなるために欠かせない、創傷治癒。この肌の再生メカニズムにも、大きな役割を果たしているPDGFとKGF。今回の発見で植物の未利用部分や、身近な植物のエキスが肌のホメオスタシスにも有用であることが示唆されました。
HRCでは、今後も植物のさらなる可能性を探求していきます。