①細胞膜への作用
精油の最も重要な抗菌メカニズムは、細菌の細胞膜に対する直接的な破壊作用です。
精油の疎水性(親油性)成分が細菌の細胞膜脂質と相互作用し、流動性を変化させることで、細胞内物質(カリウムイオン、リン酸、ATP、核酸など)の漏出を引き起こします。
オイゲノールは黄色ブドウ球菌の細胞壁と膜の破壊を引き起こし、内在タンパク質・核酸の漏出、AKP(アルカリホスファターゼ)を増加することが報告されています。2)
その他、報告されている精油成分:1,8-シネオール2)、カルバクロール1)2)、シンナミックアルデヒド2)4)、チモール1)2)、テルピネン-4-オール2)4)、メントール3)、リモネン1)
②細胞内物質への作用
精油成分は細胞膜を通過して細胞質内に侵入し、生命維持に必要なエネルギー産生やタンパク質合成、細胞分裂などを阻害します。
オイゲノールは、大腸菌およびリステリア菌の細胞膜の構造や機能に関わる酵素である膜結合型ATPaseの活性を阻害することが報告されています。5)
その他、報告されている精油成分:1,8-シネオール2)、シンナミックアルデヒド2)、チモール2)
③細胞間コミュニケーションへの作用
「クオラムセンシング(QS)」と呼ばれる細菌同士の細胞間コミュニケーションを阻害することで作用します。QSは、細菌が集団密度を感知し、病原性因子の発現やバイオフィルム形成を調節する重要なメカニズムです。
シンナミックアルデヒドは、緑膿菌や大腸菌などのQSシステムを阻害し、バイオフィルム形成やスウォーミング(集団移動)を抑制することが示唆されています。1)
その他、報告されている精油成分:カルバクロール1)、チモール6)、メントール3)