Tips クリスマスをテーマにしたおすすめブレンドレシピ
ゼラニウム 1
グレープフルーツ 2
マートル 1
フランキンセンス 1
ホーリーフ 2
ヒノキ 1
マジョラム 1
スキンケアやフレグランスなど、私たちの身の回りのアイテムによく使われている精油(エッセンシャルオイル)。香りで身も心も癒してくれるホリスティックアイテム、となんとなく認識しているものの、特徴や効果について深く知らない人は多いのではないでしょうか。このコラムでは、精油をよく知る二人のセラピストをゲストに迎え、魅力や取り入れ方のコツを紹介していきます。
前編では、サロンや講義を通して精油の楽しさを広めていると話してくれた箕輪三香さん。プライベートではどのように精油を取り入れているのか、そして彼女が思い描く精油の未来とは。クリスマスの時期にぴったりなブレンドレシピも必見です。
港区高輪の自宅サロンでアロマのクラフトサロン「Aromatise」を主宰。
プライベートでは二児の母。AEAJアロマインストラクター・アロマブレンドデザイナー・アドバイザーの資格を活かし、香りや精油を日常に取り入れられるようなワークショップやレッスンを開催したり、商品開発などにも携わっている。また、「ライブラ香りの学校 渋谷校」の代表も務め、アロマテラピーの資格を取得できる講座も開催している。
まずは、サロンに入って来た時の第一印象となる部屋の香りに気を使っています。そこで天然精油の良さに気付く方も多いので、空間作りは大切です。あとは、精油って面白い逸話が沢山あるので「興味を持ってもらえるかな」と話に組み込んだりしてます。例えばイランイランは、女性がつけていると男性を惹きつけるモテの香りとして使われ、昔から新婚の初夜のベッドに置いてあった植物。こんな話をすると女性は使いたがりますし、香りの持つパワーや成分を知りたくなるみたいです。歴史と絡めた話も、好きな人は多いですよ。クレオパトラが、古代エジプト時代にローズを床に敷き詰めて男性を魅了し、政治にうまく活用していた話も有名ですよね。ローズの香りがホルモン系に働きかけ、女性を魅力的にする作用がある、とクレオパトラは分かっていたのかもしれません。ローズ精油を嗅いだ後に女性の顔色が明るくなった、という実験結果も報告されているくらい、信憑性の高い話でもあります。興味を持ってもらうきっかけになる話は、これ以外にも沢山あるので、色んな本などを読んで、知識を増やして伝えています。家ではずっとアロマ系のYOUTUBEや本を見ているので、子供たちから「ママは、いつも変なアロマのYOUTUBEを見てる」とからかわれています。
レッスンのない日は、必ず朝と晩の1日2回、精油を使い分けています。レッスンのある日は鼻が疲れているのであまり使いません。毎回ブレンドする時間はないので、自分の商品を使うことが多いですね。朝起きたら、レモングラスなどをブレンドした爽やかな香りの除菌スプレーでテーブルを拭き、香りを立たせると、頭もすっきりし、爽やかに1日を始められます。夜は寝る前にゼラニウムなどをブレンドしたピローミストを枕などに吹きかけると睡眠効率がグッと上がる。お風呂にバスソルトを入れて入浴するのもルーティンの1つですね。バスソルトは既存の商品を使うこともあれば、その日の気分に合わせて新たにブレンドすることもあります。
そうですね。職業柄いつもたくさんの香りを嗅いでいるからか、決まった香りを決まった時に使う方が気分が落ち着きますね。いつも寝る前に吹きかけるピローミストは、入眠の香りとして身体が覚えているから、嗅ぐと一気に脳が“おやすみモード”になるんです。同じ原理で、よく夜泣きをする赤ちゃんに入眠の香りを覚えてもらうと、すぐに眠ってくれるようになったりもするみたいですよ。
忙しい毎日を過ごす中でその都度ブレンドするのはなかなかハードルが高いと思うので、自分の好きな香りを2つほどを使い分け続けてみるのがおすすめです。
自分用というよりも、最近は親しい友人からの要望に応えてブレンドすることが多いです。「更年期でホットフラッシュに悩んでいて」とか「子供の夜泣きがひどくて」とか、そういった悩みに合わせてブレンドして、アロマミストやアロマワックスサシェを作ってプレゼントするんです。最近だと、前の職場の先輩から「病気になり薬の副作用で悩んでいて、何かリラックスできるものを作って欲しい」とお願いされたりもしました。私が精油に詳しいことを友人たちも知っているので、頼りにされると嬉しいです。
肌寒い冬の季節は、温もりを感じる甘い香りや重ためな香りを嗅ぐと安心すると思います。イランイランやオレンジ、あとはスパイシーで季節感のあるシナモンなどもおすすめです。夏に甘ったるく感じた香りが、冬だとしっくりくることも多いので、試してみてください。
フランキンセンスという精油は、イエスキリストにゆかりがあると言われているので、オレンジスイートやシナモンなどとブレンドしてみると、ぐっとクリスマス感が出るかもしれませんね。クリスマスツリーに使うモミの木から抽出されるモミ精油もそこに合わせたら面白いかも。フランキンセンスはイエスキリストが誕生した時に、東方の三賢者が黄金と一緒に贈ったとされています。当時はまだ精油ではなく香木でしたが、今でも聖なる香りとして親しまれているんですよ。奥深いウッディな香りのフランキンセンスは肌や呼吸器に良く、深呼吸を促してくれ、日頃仕事をしていると緊張して呼吸が浅くなりがちな人や、ヨガや瞑想など大きく呼吸をする時にもすごくおすすめです。
自分が心地よいと思う香りを、好きなタイミングで使うのが一番大事です。使い方は人それぞれで、一番簡単なのは置き型ディフューザーやルームスプレーなどでの消臭対策。部屋が良い香りになるだけで、どれだけ気持ち良く過ごせるのかに気付くと思います。持ち歩けるタイプのロールオンやミストは「子供にイラついて、怒ってしまう前に嗅ぐ」という人もいますし、「暑くてやる気が出ない日中に、アロマミストで気分転換をする」という人もいます。人によっていろんな使い方や、心地よさがある中で、私はミストを使いわけ「朝に爽やかな柑橘系の香りで目覚めて、夜はリラックスできるゼラニウム系の香りを取り入れる」というバランスが好みだっただけ。決して誰かを真似する必要はないので、自分が一番心地よいバランスを見つけて欲しいですね。
WHOの健康の三大定義で、Physical、Mental、Spiritualの3つが満たされると、私たちはより幸せで健康的な日々が送れると言われています。アロマテラピーはその3つを香りによって癒し、満たしてくれる本当に良いものだし、忙しい私たちが出来る今の時代に合ったセルフケアの1つだと思うので、これからもサロンワークに力を入れていきたいです。私は解剖学や皮膚の事も勉強しているので、アロマテラピーがどのように身体に働きかけているのかが分かりますが、そこに興味がない人にとっては簡単で、オシャレに日常に取り入れられる物が良いと思うので、精油100%でできた香水とかも増えたら、それも良いですよね。今はまだ合成香料を使ったものが一般的。”精油は癒されるために自分でブレンドするもの”という、ナチュラル志向の人が使う、みたいなイメージを香水などのコスメアイテムとしても、カッコ良く持ち歩けるものになったら、可能性が広がりそうです。また、アロマテラピーをせっかく勉強しても、その知識を利用し活躍できる場所がまだ少ないのも、もったいなく感じています。資格を活かして仕事にしようと思っても、講師としてスクールで教えるか、サロンを開いたりと決まった道ばかり。もっと仕事の選択肢が広くなれば、精油を学ぶ人も増えると思うので、アロマに関わる仕事にはどんな種類があって、どんな人が働いているのかを色々な人にインタビューして記事にしてみたいという願望もあります。農場から販売店まで、THREEさんにも逆にインタビューしてみたいです(笑)。
ゼラニウム 1
グレープフルーツ 2
マートル 1
フランキンセンス 1
ホーリーフ 2
ヒノキ 1
マジョラム 1
edit&interview 野沢愛也子(FIUME Inc.)
photo 植田翔