ニュースリリース
2026.03.30

ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレス保護作用を発見

ポーラ・オルビスグループの株式会社ACRO(本社:東京都品川区、社長:宮﨑稔章)内のTHREE ホリスティックリサーチセンターは、学校法人 城西大学(本所:東京都千代田区、理事長:水田博久)との共同研究により、ローズマリー芳香蒸留水が酸化ストレスから肌を保護し、炎症を抑制する機能を持つことを発見いたしました。

本取組の背景

THREEでは、自治体と連携し、オリジナルの国産精油を開発しています。精油の生産過程では、植物を水蒸気蒸留する際に副産物として大量の芳香蒸留水が生成されます。精油開発において、この芳香蒸留水を有効活用することは、資源循環型のサステナブルな取り組みとして極めて重要です。しかし、芳香蒸留水の機能性に関する報告はこれまで不十分であり、その活用拡大に向けた科学的根拠の発見が課題となっていました。
肌は紫外線、乾燥、摩擦、加齢などの外的要因により、常に酸化ストレスに晒されています。細胞内に蓄積した酸化ストレスは、細胞機能の低下や炎症反応を引き起こします(図1)。特に酸化ストレスによって誘導される炎症性因子(IL-1β、IL-6、TNF-αなど)は、健やかな肌を損なう一因と考えられています。

図1. 肌の酸化ストレス
図1. 肌の酸化ストレス

研究成果

皮膚角化細胞を用いて、ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレスに対する生理活性を検証しました。

(1)細胞生存率の向上と活性酸素種(ROS)産生の抑制
ローズマリー芳香蒸留水を皮膚角化細胞に添加後に酸化ストレスを与えたところ、酸化ストレスによる細胞生存率の低下を改善し(図1-a)、細胞内でのROS産生を抑制すること(図1-b)が確認されました。

図1-a. ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレスに対する細胞保護作用
試験方法:ローズマリー芳香蒸留水を添加した皮膚角化細胞に酸化ストレスを与え、培養後の細胞生存率を比較した。
出典:THREE ホリスティックリサーチセンター
図1-a. ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレスに対する細胞保護作用
試験方法:ローズマリー芳香蒸留水を添加した皮膚角化細胞に酸化ストレスを与え、培養後の細胞生存率を比較した。
出典:THREE ホリスティックリサーチセンター
図2-b. ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレスに対する抗酸化作用
試験方法:ローズマリー芳香蒸留水を添加した皮膚角化細胞に酸化ストレスを与え、ROS産生を蛍光顕微鏡観察し、ローズマリー芳香蒸留水ありなしで比較した。
出典:THREE ホリスティックリサーチセンター
図2-b. ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレスに対する抗酸化作用
試験方法:ローズマリー芳香蒸留水を添加した皮膚角化細胞に酸化ストレスを与え、ROS産生を蛍光顕微鏡観察し、ローズマリー芳香蒸留水ありなしで比較した。
出典:THREE ホリスティックリサーチセンター

(2)炎症性因子の発現抑制
ローズマリー芳香蒸留水を添加した皮膚角化細胞に酸化ストレスを与え、炎症性因子の遺伝子発現を確認したところ、酸化ストレスによって上昇した炎症性因子(IL-1β、IL-6、TNF-α)の遺伝子発現を抑制することが認められました(図3)。

図2. ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレスに対する抗炎症作用
試験方法:ローズマリー芳香蒸留水を添加した皮膚角化細胞に酸化ストレスを与え、IL-1β、IL-6、TNF-αの遺伝子発現量を比較した。
出典:THREE ホリスティックリサーチセンター調べ

今後の展望

精油の生産過程で得られるローズマリー芳香蒸留水が、抗酸化・抗炎症効果を併せ持つ有用な成分であることが示唆されました。今後は、日常的な外的要因から皮膚を保護する機能性成分として、スキンケア等への応用が期待されます。

学術発表情報

大会名: 日本薬学会 第146年会(大阪)
会期: 2026 年 03月 26日~ 29日
場所: 関西大学 千里山キャンパス
演題名: ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレス保護作用の評価(Protective Effects of Rosemary Aromatic Distilled Water on Oxidative Stress)
発表者:○金澤 由紀1,2,騎馬 由佳2,田窪 詠子1,2,横川 貴美2,鈴木 龍一郎2,佐井 賢太郎1,北村 雅史2( 1. 株式会社ACRO、2. 城西大薬)

  • 「THREE ホリスティック リサーチセンター」について

    「精油」をはじめとする植物から得られる恵みと心・からだ・肌の関係を探求し、地域社会との取り組みを通じた新たな価値を創出・発信することを目的に2022 年 09月 02日 ACRO内に設立しました。
    人の在り方にとどまらず、環境や社会の在り方も踏まえた半歩先の価値を創出・発信することで、「THREE」のさらなる進化に向けた重要な役割を担っていきます。

  • 学校法人 城西大学

    城西大学は、2025年に創立60周年を迎えました。「学問による人間形成」を建学の精神に掲げ、学問・研究だけでなく、お互いを尊敬し合える豊かな人間性を持ち、社会のさまざまな課題を解決できる人材を育成します。坂戸キャンパスは、学生・教職員等あらゆる方角から人の流れを受け入れ日常的に自然な交流を生み出す「知の交流」の拠点としての機能を果たしています。